世論調査における不適切なデータの扱いについて(声明)

 一部報道機関にかかわる世論調査で、不適切なデータの処理が明らかになりました。日本世論調査協会として、強く遺憾の意を表明します。

 様々な場面で世論を把握し公表することは、民主主義の維持発展にとってきわめて重要であると考えます。そして、世論調査は、正確さを保証するために、想像以上の労力と適切な費用の支出によって支えられています。近年は様々な事情により、世論調査の省力化・経費節減への要求が出ていますが、世論調査の品質を損なわないためには、調査者の節度が不可欠です。この節度が働かなくなれば、調査の企画、実施、さらにはデータの解釈など、各面で問題を生じ、科学的でない不適切なデータを世論として示すことになります。それは社会全体に誤解を与え、民意を誤った方向に導くことにもつながりかねません。

 今日の世論調査は、被調査者への接触がますます困難になるなど、様々な課題を抱えています。その中で、世論調査に携わる者は、常に安易な妥協や誘惑と戦い、克服していかなければなりません。本協会は、世論調査にかかわり、本協会に加盟するすべての団体や研究者とともに、世論調査の信頼性を確保するために細心の注意を払い、日々研さんに努めております。

 科学的な世論調査とは言えない不正確なデータを世論として安易に世に示すようなことは、許されることではありません。

 本協会は今後とも、世論調査の信頼性を維持するとともに、国民の皆様から一層の理解を得られるよう、加盟会員とともに努力を続けてまいります。

2020年6月25日
公益財団法人日本世論調査協会

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